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5)「夏越の大祓」とは ~形代(かたしろ)の作法について~

「夏越の大祓」とは~全体の流れについて~のつづきです。
 
 
今回は「形代(かたしろ)の作法」についてご紹介いたします。大祓に参加したものの、渡された形代をどうしていいのかわからず、キョロキョロしてしまったことってありませんか? 今後はそういうこともなくなり、自信を持って参加できますよ。 式次第や順序は、神社によって様々ですが、一例としてご覧ください。
 
 
まず事前に、必ず「夏越の大祓」の開始日時を調べます。多くの神社では、6/30の15時や16時から行われるのですが、まれに早朝に始まったり、7月に行われる神社もあります。神社の掲示板を確認するか、社務所でお尋ねください。当日に参加できない場合にどうすればよいかは、別記事でご紹介いたします。
 
 
そして当日、夏越の大祓に参加すると、最初に写真のような紙が配られます。中には、人の形をした「形代(かたしろ)」と、「切麻(きりぬさ)」とよばれる小さく切った紙、麻などが入っています。受け取って列に並びましょう。
 

1)大祓詞

大祓式がはじまり、神職の方が「大祓詞」を唱えてくださいます。「大祓詞」には、祓われるまでの神話が述べられていますが、意味がわからなくても効果があるので、その間、頭を下げ、心の中で半年間の感謝の気持ちを伝えたり、世の中の平和を祈るのもいいでしょう。「無」になるのもおすすめです。
 
 

2)切麻(きりぬさ)・形代(かたしろ)の作法

次に、写真の「切麻(きりぬさ)<小さく切った紙・麻>」を取り出します。祓われることをイメージしながら、自分の肩に向かって「左・右・左」と3回かけます。
 
 
そして、「形代」でカラダのあちこちを撫でて罪穢れを移します。病気がある方はその部分も撫でて、形代にマイナスエネルギーを移していただくといいと思います。
 
 
最後に、息を3回吹きかけて穢れを移します。このように、形代を自分の身代わりとして清めてもらうのです。この形代は、その場で回収されます。
 
 
その後、神職の方が「大麻(おおぬさ)」で全員を祓ってくださいます。「大麻」というのは、みなさんもよく目にするお祓いの道具で、榊の枝や木の串に、垂紙(しで・カミナリの形をした紙)を付けたものです。 紙や麻はとても貴重なものでしたから、不浄を清める霊力があると考えられていたのです。 「大麻」は同時にたくさんの人を祓うため「大」の字がつけられたと考えられています。ちなみに、先ほどの小さな紙でできた「切麻」は、一人一人の祓いに使われます。
 
 

3)祓物(はらえつもの)

拝殿前の「案(あん・台のこと)」の上には、祓物(はらえつもの)が据えられています。これは「木綿」と「麻布」のことですが、神職の方が神前で布を真っ二つに割いてしまいます。この光景にとても驚かれると思いますが、これは、罪を贖う(あがなう)ために、人間生活において貴重品だった布を差し出して(贖物・あがもの=代償物)、使えないように裂き、放棄して、私欲を捨てて清い心に立ち帰ることを表しています。本来は参列者が持参するものですが、便宜上、神社の方がご用意くださっています。
 
 
そして先ほど回収した形代や大麻なども合わせて一つにまとめ、川や海に流されます。滋賀県の日吉大社では、「祓戸社」前で大祓が行われ、そのすぐ横の境内に流れる清らかな川(写真)に流します。
 

 
水流が少なくて、流れないのでは??と心配しましたが、形代は紙でできていますから自然に還るんですね。こうして循環していくのだなぁと改めて気づかされました。
 
 
次回はいよいよ「茅の輪のくぐり方」についてです。
 
 

「大祓」解説シリーズ:まとめ

1) 誰でも生まれ変われる・年に2度の「大祓(おおはらえ)」とは?
2)「祓い」の由来は日本の神話から
3) 祓い・罪・穢れ(ケガレ)とは?
4)「夏越の大祓」とは?(全体の流れについて)
5)「夏越の大祓」とは?(形代の作法について)
6)「夏越の大祓」とは?(茅の輪のくぐり方)
7)「夏越の大祓」当日に参加できない場合
8)「大祓」解説シリーズ:まとめ
9)「茅の輪」は、引き抜いちゃダメなの。

 
 
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